Giselle
第1幕は軽快な音楽に豊富なマイムで物語が綴られ、演劇を観ているようでした(ロマンティックバレエはそういうものらしい)。
踊りも可愛らしいもので、目をみはる、ということはありませんでしたが、パドシス(6人で踊る。準主役級。)を勤めたアジア人女性は指先からつま先まで行き届いているという感じで一人際立っていました。
他方、ジゼルを演じたプリンシパルダンサーにはちょっと演技過多な違和感を感じました。特に狂乱のシーン(婚約者に裏切られたことが発覚し発狂ののち死に至るシーン。見せ場の一つ。)では、
髪を振り乱し他の共演者の元へ駆け寄る、もたれかかる、ひっくり返るなど、その様子はもはやバレエの枠をはるか超えており
( ゚Д゚)ポカーン
酔っぱらって周囲にからむギャル(金髪だから)のようでした。
あっさりバタリと倒れてくれた方がよかったような気がします。
しかし、第2幕の群舞の美しさは素晴らしかったです。アラベスクで交差する有名なシーンは結構バラバラで残念でしたが、その他はため息が出る程でした。
ジゼルも人が変わったように(変わったのかもしれませんが)軽やかで美しく、特に男性プリンシパルとのパ・ド・ドゥ(2人で踊る)は足が床についていないのでは、と思える程滑らかでまさに精霊といった感じでした。
久しぶりに観ましたが、バレエ、心が洗われます。
私も幼い頃バレエを習っていたことがあり、習い事の中では一番好きで得意な習い事でした。
たまに姿勢がよいとほめられるのは多分この時のバレエのおかげだと思います。
先生にも目をかけてもらっていた記憶ですが、お受験のためやめてしまいました。
いえ、やめさせられたわけではなく、全然自分の意思です。
一緒に習っていた恵ちゃんが小学校の文集に載せる将来の夢について
プリマ(バレリーナの最高位)にしようかピアノの先生にしようか迷ってる
と言ったのに対し、
バレエで食べていける程有名になるのは大変だからピアノの先生にすれば?
と答える夢のない小学生だったのでした。